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ジアンの陶器

フランスを代表する陶器メーカージアンは、フランスロワール川のほとりのジアン市に誕生。ルネッサンスフォンブルーに代表されるジアンブルーは、フランス人なら誰でも知っている濃紺の美しい陶器製品です。ロワールの森や渓谷に囲まれ、豊かな風土から生まれた、そのあたたかい感触や作風が、今、一部の陶器愛好者に限らず、幅広く静かなブームを呼んでいます。

ジアンはフランスの古い作品の複製にあきたらず、日本やペルシャのファイヤンスや薩摩焼きの複製をつくる技術を導入しました。高温で焼いた浮き彫りの光沢のある表面や、ヒビ模様、トルコブルー、生の粘土などに色付けした模様や、濃紺の地にゴールドリーフをあしらったものなど、すばらしい作品を生み出しました。

置時計、ランプ壷やタイルなどのインテリアはもちろん、ギフトや贈り物に最適なシリーズ、美しい四季を愛する日本人には欠かせない細やかな表現を出しているアリスや、ヴォルプテ、ミモザ、チェリー、アネモネなど花柄の模様をはじめ、トンボをモチーフにしたリベルール、古い染付けにインスピレーションをうけたオワゾーブルーなど、食洗機、電子レンジも大丈夫な少しランクの上の生活を満喫できる食器です。

ジアンの起源

陶器メーカーのジアン社は、1821年、英国人のトーマス・ホールによって設立されました。彼は英国の優れた陶器(ファイン・ファイヤンス)をフランスに持ち込みたいと考えていました。

生産はまず実用的な食器類から始められましたが、後にテーブルウェアー全般から、装飾性のある食器、そして名家の紋章の入った食器のセットへと向けられました。ジアン社は品質の向上と芸術性の発展のためにたゆまぬ努力を続けました。この哲学に基づき、1855年から1900年にかけての多くの博覧会において、他に類のない製品の数々を発表しました。そして戦争や危機の続いた20世紀の間も、その近代化と開発は継続されたのです。

ジアンの今日

今日のジアン社は、フランス高級陶器の一流メーカーであると同時に、フランス内外の市場における競争力のある企業となっています。その製造は強い個性に裏打ちされており、形状や絵柄の豪華さや繊細さ、形や絵柄の豊富さによって他の陶磁器と一線を画しています。2002年1月よりジアン社はルイ・グランシャンによって経営されています。

Moule en platre archives de la Faiencerie, 1875

ロゴマーク

ジアン社ロゴマークの歴史

  1. 1822年〜1875年
  2. 1875年〜現在
  3. サイン

ジアン社に残された記録のおかげで、1821年以降の製品は、その製造時期を刻印されたロゴマークによって特定できます。そのロゴマークの中には数十年にわたって使用されたものもありました。

刻印の解読

生地に刻印された文字によって、1852年から1967年の間に造られた陶器の製造時期を特定できます。

1852年から1929年のジアンのロゴマーク

1852年から1877年までの26年間は、AからZまで、1年ごとにアルファベット1文字をあてる刻印が始められました。

1878年から1903年の26年間にも、再びアルファベットで、しかし少し異なる書体で刻印が行なわれました。

1904年から1929年にも同じ原則で、3つ目の書体を用いた刻印が行なわれました。

1930年から1967年のジアンのロゴマーク

1930年より刻印の方法が変更されました。2年ごとに1つのアルファベットが用いられ、後に付け加えられた2番目の文字で、製造された月が特定できるようになりました。(1月にはA、2月にはB、等々)。また一部の製品には、職人を特定するのに使われる3番目の文字も加えられました。

インスピレーション

多方面からのインスピレーション

ジアンの絵柄は、17、18及び19世紀のフランスやヨーロッパの陶器を反映しているだけでなく、東洋の陶磁器からも影響を受けています。

ルーアン陶器の絵柄からデルフトのオランダブルーに至るまで、またイタリアの(マジョルカ)陶器やマルセイユのバラつぼみの絵柄など、多様な解釈がジアンの陶器に活かされています。これらの絵柄はすべてジアンのミュージアムに保存されています。

18世紀のルーアン陶器の絵柄によって、1860年から1875年の間に、ジアンの製造は飛躍的に発展しました。よく知られている絵柄の中には、「角模様」や「放射模様」があります。また鉄器製装飾品の模様や、垂飾り、花かごの他、黒金で象嵌された黄土風の陶器も生み出されています。

イタリア模様はジアンの名声を広めるのに貢献しました。この絵柄はルネッサンス期のイタリアのマジョルカ陶器から、とりわけ、ファエンツァ、ウルビーノやサヴォーネから影響を受けています。豊富なモチーフが盛り込まれており、多くのメダイヨン(楕円状の縁枠模様)や、妖精の模様、グロテスクな戯画や女神、花柄などが、白や黒、ダークブルーや茶色の生地に描かれています。

またオランダからの影響も受け、デルフト模様の再現が見られます。大きく開いた花の模様や、孔雀、枝の模様や、中国の情景画が青や白で描かれています。

同様にジアンは、ドイツ、サックスのファインセラミックからも着想を得ています。花柄や、緻密な絵柄、繊細に描かれた天使の絵柄等が、葉に飾られた窓枠模様の中に広がっています。多くはピンクや紫のカマイユー(単彩画)ですが、スミレのような薄紫と、それによって引き立てられたラヴェンダーのような青で描かれているものもあります。

また英国陶器ウェッジ・ウッドの影響で、薄い水色や青紫の色調をしたモデルを製造するようになりました。

極東の陶器の影響もまた、ジアンの作品、特に1866年から1871年の作品の中に、大きな位置を占めています。日本風と呼ばれる絵柄は、光を放つ鳥たちや花の咲いた桃の木の枝が、鮮やかなターキッシュブルー、黄色、くすんだ白などの下地に描かれています。また中国陶磁器を翻案した形状も認められます。

Decor inspiration Rouen

Decor inspiration Italien

Decor inspiration Delft

Decor inspiration Wedgwood

Decor inspiration Extreme orientale

芸術的創造性

Decor Flore

開発部はジアン社の中心であり、新たな絵柄の研究に余念がありません。昔のモデルを再現するために、19世紀の資料を研究することもあります。製品のコレクションを広げるため、開発は最も才能に恵まれたデザイナーたちが担っています。

ジアン社の3つの製品ライン

「私のお気に入り」シリーズ
贈答品として理想的な「私のお気に入り」シリーズには、デザート用のセットや、コーヒーセット、ティーセット、朝食のセットなど、形状や絵柄の豊富な商品ラインがあります。

伝統と今のテーブルウェアー
ルーアンやデルフトの絵柄に影響を受けた陶器のセット、あるいは未来派の創作品は、各時代の流行の記録です。

芸術陶器とジアントラディション
全て人の手で描かれた装飾品はコレクションの対象となるものであり、これら創作品によってジアン社の品格と経験が表現されています。ジアントラディションの製品は限定製作です。

ジアン社は、フランス高級ブランドの代表的企業が組織するコルベール委員会のメンバーです。

製造工程

真の彫刻家である模型製作者が一つの模型を彫り出し、それを用いて最初の型が作成され「母型」が生まれます。そこから石膏で出来た製造用の型が作られます。これらの型は、一定の製造品質を維持するため硬質の石膏か樹脂で作られています。

ジアン社

ジアン社は疑いもなくフランス製陶産業の中で最も格の高いブランドです。その名声は、途切れたことのない経験と伝統、創造性をブレンドし、職人仕事と産業を結びつけようとする心遣いに依拠しています。

まさにこの考え方をもって、ルイ・グランシャンとベルトラン・ダンブリーヌは、2002年1月、世界的と評されるこのメーカーを獲得したのです。

新たな販売政策の一環として、2002年6月にはブリュッセルにブティックが開かれ、またパリの店舗が改装されました。

ジアン社の営業組織により30を超える国々に輸出が行なわれ、2002年には輸出の割合が45%に達しています。